2010年 06月 10日
先日、近所に住む叔父が、10日程前に亡くなっていた事を知った。 しかも、事情があってか、亡骸は病院の霊安室に置かれたままだという。 死とは魂と肉体が別々になること。 仏教では、すみやかに火葬を行うことで、故人が迷わず成仏すると考えられている。 ところが、盛大な葬儀で知られるバリ島では、準備に日数を要するため、荼毘に付されるまでかなりの時間がかかる。 一生のうちに数え切れないほど儀礼を行うバリ人にとって、葬儀は人生最大の通過儀礼であり、何より盛大に執り行う必要があるのだ。 故人に縁のある人々が、バデと呼ばれる巨大な棺を担ぎ、火葬場まで練り歩く。 椰子に囲まれた村はずれの広場で、亡骸が牛型の棺に移されると、いよいよ火が付けられた。 その様子を正装の子供達がぼんやり見つめている。 石油と線香と人間の焼ける匂いが混じり合った何とも言えない匂い。 その匂いは、青白い煙と一緒に辺り一帯に立ち込めた。 叔父の死を知らされたとき、僕はそんな光景を思い出していた。 バリ島のようにはいかないだろうけど、今はとにかく安らかに成仏すること、そしてすみやかに葬儀が行われることを願うばかりである。 Canon EOS 5D EF24-105mm F4L IS USM 1/100 sec. F 11 ISO 400
by artisfoto
| 2010-06-10 09:09
| インドネシア
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Comments(4)
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do-loop at 2010-06-11 23:18
ウブドの観光案内所で葬儀ミニツアーのようなものが組まれていて
1度だけこういうシーンを見に行った事がありますが 葬儀まで日があるせいなのか、宗教の違いか、湿っぽさは無く 煌びやかでお祭りのようで、でも自分は知らない人の火葬を見学しているんだ。 なんだか不思議な気分になりました。 叔父様、早く葬儀がとり行われるといいですね。
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artisfoto at 2010-06-13 10:26
do-loopさん、そうでしたか。
日本では公開火葬なんて有り得ないことですが、野原で火葬して遺骨を海に流すというのは、僕自身とても羨ましく感じます。 ご心配いただきありがとうございます。 今も叔父のことが気掛かりでなりません。
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artisfoto at 2010-06-13 10:27
cumi-cumiさん、これはカランガッセムで撮影しました。
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