2011年 04月 28日
祈り、サンティアゴ・デ・クーバ
1606年、遭難した3人の漁師が、漂っていた木片にしがみついて命拾いをした。
ところが、木片をよく見てみると、何とそれは聖母の像だった。
漁師達は、命を救ってくれた聖母像をコブレに祀ることにした。
それが『コブレの聖母寺』の由来である。

サンティアゴから西へ20キロほど行った山中の小高い丘の上に、キューバ人の聖地『コブレの聖母寺』はあった。
僕はここで、キューバの守護神『聖母カリダー』に会うため、遥々サンティアゴからカミオン(トラック)に揺られて来たのだ。

今回僕は、遥か遠いキューバの地で、日本が未曾有の災害に見舞われたことを知った。
途中、このまま旅を続けるべきかどうか悩んだりしたこともあったが、今はとにかくやるべきことはやっておこうと、自分に言い聞かせながらようやくここまで来たのだ。
だがその一方で、どこかやるせない気持ちになっていたことも事実であった。

その時、教会内は静寂と神聖な空気で満ち溢れていた。
祭壇の前では、各地からやって来た巡礼者たちが、薄暗い中蝋燭を灯し祈りを捧げている。
その様子を眺めていると、急に清々しい気分になっていった。

僕は聖母の前に座り、手を合わせて祈った。
ただひたすら祈ること、それが、このときの僕に出来る精一杯の行いだった。

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Canon EOS 5D Mark II EF50mm F1.2L USM
1/80 sec. F 2.0 ISO 800
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by artisfoto | 2011-04-28 12:27 | キューバ | Trackback | Comments(4)
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Commented by cumicumi at 2011-04-28 12:44 x
画面から神聖な雰囲気が伝わってきます。
旅の途中であんな災害が日本で起こっていては、色々考えることも多かったでしょうね。
Commented by artisfoto at 2011-04-28 16:44
cumi-cumiさん、そうですね、やはり一人旅だと一人の時間が長いので、そのぶん色々と考えさせられました。
とにかく、震災前と後では、世界ががらりと変わってしまいましたね。
Commented by kidai_y at 2011-05-01 00:28
素敵なシーンですね。
この女性は何を祈っているのでしょうか。
国も人も信仰する神も違っても、祈る気持ちは同じですね。
Commented by artisfoto at 2011-05-02 09:23
kidai_yさん、そうですね。
教会も寺も神社も、人々が祈っている姿は、みな同じなんだと思いました。


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