2013年 04月 04日
街角と川沿いの風景、ロンスエン
ミニバスがロンスエンに近付くと、車掌が「どこで降りるのか?」と聞いてきた。
すぐさま「ロンスエン!」と答えると、車掌だけでなく、数人の乗客が怪訝そうにこちらを見ている。
三年前にここを通過したときは、確か市場の近くで止まったと記憶しているが、今回はどうもそうではないらしい。
案の定、ミニバスは国道沿いのロータリーのど真ん中に停車して、車掌がここで降りろと手で合図した。

不意にバスから投げ出されたような、そんな気分だった。
というのも、僕がロンスエンについて知っていることと言ったら、川沿いに町があること、市場があること、そして南仏のアルビ大聖堂を模して建てられたという、メコンデルタ最大の教会『ロンスエン大聖堂』があるアンザン省の省都、ということくらいだったからだ。
僕は植木鉢が並ぶ土手沿いまで歩いて行き、赤茶色の川を眺めながらこれからどうしようかと途方に暮れていると、近くで座っていたノン(笠)をかぶったおばちゃんが、僕のために椅子を持って来てくれた。
そのおばちゃんに、「この辺りでホテルを知りませんか?」と尋ねてみたところ、もう一人の赤いTシャツ姿のおばちゃんが間髪を入れずに、「その先を左に入ったところにあるよ。」と教えてくれた。

言われた通りに歩いて行くと、ドンスエンという中級ホテルの前に辿り着いた。
大きく立派なロビーは、明らかに予算オーバーといった感じで、値段を聞く気にもなれなかったが、その向かいにある二軒のホテルは、規模も小さく値段も手頃そうだった。
そのうちの一軒は、少々古びてはいるものの、昔のべトナムの雰囲気そのものといった感じの趣がある。
もう一軒は、ここ2〜3年以内に建てられたであろうピカピカのホテルだ。
どちらにしようか迷った挙げ句、まずは古い方へ入ってみることにした。
値段を聞いてみると、シングルは朝食付きで30万ドンだと言う。
決して安くはなかったが、部屋を見せてもらうと、高い天井とひんやりした室内が心地良く、何より静かなのが気に入った。
結局、ピカピカのホテルは見ずにここに泊まることにした。

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コープ・マートという大きなスーパーマーケットの最上階で、べトナム人に混じって昼食を食べていると、突然「日本人ですか?」と日本語で声を掛けられる。
振り向くと、若いべトナム女性だった。
聞けば、日本の米を栽培するため、現在十人ほどの日本人がロンスエンに住んでいるという。
彼女はサイゴンの大学で日本語を勉強して、今はロンスエンで日本人にべトナム語を教えているのだと言う。
腹ごしらえを済ませると、僕はロンスエンの町を把握するため、川沿いを歩いてみることにした。
ところが、この町の人達はいったいどこへ行ってしまったのだろうか?と思えるほど、人影はまばらだった。

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by artisfoto | 2013-04-04 13:21 | ベトナム | Trackback | Comments(0)
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