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2009年 03月 31日
原宿の陰と陽、東京
週末、久し振りに表参道を歩いていると、チベット亡命政府の旗を掲げたデモ隊に遭遇した。
今年は、1959年に中国政府が「チベット動乱」を制圧し、チベット地域の統治権を確立してから50年という節目の年だ。
今年はそれを記念して、中国政府が1月に「農奴解放記念日」を制定、その祝賀大会がチベット自治区の区都ラサで開かれていたのだ。
デモ隊は、恐らくそれに抗議するためデモを行っていたのだろう。
そう言えば一年前、チベット自治区で発生した暴動後に行われたデモは、参加者1500人という大規模なものだったが、この日は30人程しかおらず、その様子を見つめる人々の反応も冷ややかだった。
私はデモ隊が通り過ぎたばかりの交差点で、信号待ちをしながらビルの上の大きな広告を眺めていた。
西陽が照らし出す巨大なブランド広告、そしてその下の日陰を行くデモ隊の後ろ姿、それは「陰と陽」にも例えられるほど対照的な光景だった。

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by artisfoto | 2009-03-31 11:16 | 日本 | Trackback | Comments(0)
2009年 03月 27日
二分咲き、東京
昨日、近所の桜を観に行ってきた。
花はところどころ開いているものもあったが、冷たい風にさらされた蕾はまだ固いままだ。

私には桜と聞いて必ず思い出す場所があった。
ミャンマーのシャン州にある高原の町、メイミョである。
メイミョはイギリス植民地時代に開拓された高原避暑地で、その名残かどうかはわからないが、西部劇に出て来そうな幌付きの四輪馬車が通りを行き交い、町には古い洋館や教会も多い。
私が訪れた一月は、ちょうど桜の花が見頃を迎えていて、高原の濃い青空をバックに山桜のような暗めの色調の花が咲き乱れる光景は、まるで桃源郷のようだった。

滞在三日目くらいの時、たまたま入った中華料理店で言葉が通じず困っていたら、同じく困っていた店員が急に何か思いついたような顔をして奥に入っていった。
暫くして店員が奥から人を連れて来ると、その人がいきなり「何が食べたい?」と流暢な日本語で話し掛けて来たものだから、私は思わずびっくりしてしまった。
まさか、こんな辺境の地で日本語が話せるとは思いも寄らなかったからだ。
聞けば、陳さんと名乗るその人は台湾人で、新宿の中華料理店で五年間働いていた事があり、この店は奥さんの実家なのだと言う。

偶然の出会い、人々の優しさ、おいしい食べ物。
私にとっては、そのどれもが旅のエッセンスとして欠かすことの出来ない大切なものである。
陳さんとの出会いも、そんな偶然が重なり合った結果なのだろう。
「今頃、陳さんはどうしているのだろうか?」
私はソメイヨシノの向こうに広がる青空を眺めながら、すでに薄らとした記憶でしかない陳さんの顔を必死に思い浮かべようとしていた。

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by artisfoto | 2009-03-27 14:12 | 日本 | Trackback | Comments(0)
2009年 03月 26日
カフェの眺め、ハノイ
ようやくフエからハノイに到着する。
その日は、テト(旧正月)が明けたばかりだというのに、やけに蒸し暑い一日だった。
雑居ビルの土産物店の間をすり抜け、階段を上がる。
そして、さらに螺旋階段を上がって行くと、ホアンキエム湖を一望出来る屋上に辿り着く。
午後の柔らかな陽射しが心地良い。
私が最も好きな時間帯、そしてここは私がハノイで最も好きな眺めである。

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Canon IXY DIGITAL 200
1/500 sec. F 2.8 5.4mm
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by artisfoto | 2009-03-26 10:50 | ベトナム | Trackback | Comments(0)
2009年 03月 12日
駅のホームにて、ジャワ島 チルボン
独立記念日の翌日、宿で一緒だったリオが駅まで送ってくれると言う。
早速、スマランまでの切符を買いに窓口へ行くと、リオが横から入って来て、「ビスニス サトゥ!(普通席ひとつ)」と言った。私は多少高くても席が広くて涼しいエクセクティフにしたかったのだが、「こっちの方が安いだろ?」と得意げな表情で話す彼を見たら、それ以上何も言えなくなってしまったのだ。

やがてジョクジャカルタ行きの列車が到着し、窓からナシ・ブンクス(弁当)を買っていると、おつりを貰う前に列車が走り出してしまう。
そして、そのまま列車はテガルまで、非常にゆっくりではあったが、何事もなく順調に走行していた。

その頃、午後の陽射しを受け、車内はかなりの暑さになっていたと思う。
やがて海沿いに出ると、列車の速度は上がり、そのぶん窓から風も入るようになったが、今度は陽射しを遮るものがなくなり、車内の温度はさらに上昇していった。
それはもう、居ても立っても居られないほどの暑さだった。
そして、私はこの時、何が何でも次からはエクセクティフにしようと、固く心に誓ったのである。

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Canon IXY DIGITAL 200
1/60 sec. F 2.8 5.4mm
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by artisfoto | 2009-03-12 16:37 | インドネシア | Trackback | Comments(4)
2009年 03月 06日
三眼井、雲南省麗江古城
その井戸は、三眼井と呼ばれていた。
由来は、水飲み場、野菜の洗い場、洗濯場と、連続した三つの井戸が用途別に並んでいるからだった。

三眼井に辿り着いた時、そこにはまだ一人の女性しか居なかったのだが、そのうちに一人また一人と人が増えてくると、寂しかった井戸もだんだん賑やかになっていった。
「なるほど、これが本当の井戸端会議ってやつか。」
そう感心していたのも束の間、気が付けば話題の矛先はこちらに向けられていた。

「この娘美人だろう? でもダメだよ、結婚して旦那がいるんだから。」
私が突然の言葉に呆然としていると、その場に居たみんなが私を見て笑った。

確かにその娘は美人だったし、見とれていたのも事実だった。
だが、その時は、ただそんなふうにからかわられていることが、何だかとても心地良く、そして暖かく感じられたのである。

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CONTAX G2 Carl Zeiss Planar T* 35mm F2
Tri-X pan 400(TX)
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by artisfoto | 2009-03-06 13:13 | 中国 | Trackback | Comments(0)