2013年 06月 13日
投げキッス、チャウドック
宿でプノンペン行きのボートの予約を済ませ、外に出てみると、待機していたシクロが僕に近付いて来た。
シクロと言えば、これまで何度も痛い目に遭わされ、「もう二度と乗るものか!」と思っていたが、この時は何故か乗ってみようかという気分になっていた。
恐らく、ベトナムドンの現金が余っていた事や、メコンデルタの優しい風に当たって、気持ちがおおらかになっていたのであろう。
とにかく、目的地まで「5,000ドンだ」と言うドライバーの言葉を、うかつにも信用してしまったのである。
ところが、乗った瞬間「しまった!」と思った。
ドライバーが異様に酒臭かったからだ。
悪い予感というのは当たるもので、途中のホテルで場所を確認していると、ドライバーが「ここまでは10,000ドン、さらに先へ行きたければ5,000ドンよこせ」と言いだした。
本当なら、そんな輩にびた一文だって払いたくはなかったが、大声でわめき散らすので、仕方なく5,000ドン札をシートに叩き付け、振り返らずにその場を立ち去った。

僕は腹を立てたまま、船着き場へ続く簡素な橋の上を歩いていた。
舟はもうすぐ出発するらしい。
乗客の中に、母親に抱かれた幼い娘が一人居て、その娘がジッとこちらを見ている。
まるで「怒っちゃダメ」と言われているような気がして、思わず微笑み返すと、突然投げキッスをくれた。
その健気な仕草を見ていたら、先ほどのシクロの事など、もうどうでも良くなってしまった。

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Canon EOS 5D EF24-105mm F4L IS USM
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by artisfoto | 2013-06-13 17:45 | ベトナム | Trackback | Comments(0)
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